摩緒のBL隠れ家

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明日が世界の終わりでも  榎田尤利  CROSS NOVELS  2003.02  ★★★★★



明日が世界の終わりでも (CROSS NOVELS)
(2003/02)
榎田 尤利

あらすじ

他の男に抱かれえる恋人を「見る」こと―それが、玲治が望に求めたセックスのやり方だった。
毎回違う男に組みしかれて乱れる望を、ただ見つめるだけの玲治。自分では指一本触れない残酷な愛し方に傷つく望だったが、
身体中に絡みつく熱を孕んだ玲治の視線は、どんな愛撫よりも望を蕩けさせた。
快楽と哀しみに翻弄されながらも、望は玲治を愛することを止められない…。人生を変える運命の恋を描いた表題作他、二編を収録。


シリアスとコメディ、どちらが好き?と訊かれると…ひっじょ~~~に答えに迷うんですが…

う~~ん…結局のところ、どちらも甲乙つけがたく大好きなんですよね…両方楽しむのが好きなんだと思うんですよ。
その時の気分に左右されるということもありますが…
「明るく楽しく笑いたい気分」の時、「じっくりしんみり泣きたい気分」の時…
シリアスな恋愛に浸っていたい時、気分転換にさくさくドキドキ恋愛を楽しみたい時…
その時の気分に合わせて、いろんな恋愛小説を楽しませていただくのが「本屋さんで買う恋」の楽しみなんですよね~

ま…これは単なるワガママ読者のタワゴトですが…
これら「シリアス、コメディな恋愛小説」を書く作者様って、いったい書く時どういう気分なんだろう?とふと思うことがあります。
やっぱり気分に左右されるものなんだろうか…シリアス作品書きたい気分とか(笑)
出版社からの要望とあればどちらでも書かざるを得ないというのもあるんでしょうが…でもやっぱり得意、不得意というものはあるハズで…
シリアス作品をよく書かれる方のコメディ作品読むと…少し違和感を感じてしまうことがあったりするんですが…
だからシリアスとコメディ、まったく真逆と言ってよいほど異なる両方の世界で読者を心から楽しませる事ができるというのは
相当な技量と感性をお持ちのエンターテイナーだろうと思うんですよね…

私が榎田尤利先生にここまで惚れこんだ理由は…この方が書かれるシリアス作品、コメディ作品どちらが好きと選べないほどに、
どちらでも読者を心から楽しませて下さるからじゃないかな~と思ったりします。(^^)
だから「榎田尤利作品の大好きお勧めナンバー1」を考える時、もの凄く迷うんですよ…
いつも悩みに悩んで…私からするとより書くのが難しいんじゃないかと思われるコメディ作品を選ぶんですが…
でも、シリアスも大好きなんだよなあ…読んでいて胸にツ~~ンと来るあの感覚がたまらないんだあ…

ということで、今まで書きたいと思いつつ書けなかった感想第二弾、榎田シリアス作品感想に逝ってみようかと思うんですが…
これはエスと違って…書きにくい感想というワケじゃないんですけれどねえ…ただ、感想書きたい気分になるのが稀というか…
ある意味いろいろ感情について考えるのが面倒でつい後回しになってしまったって感じなんですが…(苦笑)


榎田先生のシリアス作品限定でアンケート取ったら、多分人気ベスト3に入ってくるのが
「魚住くんシリーズ」「永遠の昨日」「明日が世界の終わりでも」じゃないかと思いますが…
どの作品もそれぞれに泣かせていただいた大好きな作品ですが…榎田シリアス作品の中で「自分が一番好きな作品」と訊かれたら
「明日が世界の終わりでも」を選ぶと思います。
多分…榎田シリアス一番のお勧めは?と訊かれたら私は「魚住くんシリーズ」を勧めるんじゃないかと思うんですけれどね… 
でも、思いっきり趣味と好みが入りまくって好きなのは…多分この「明日が世界の終わりでも」なんだよなあ…わはは

この作品ねえ…1番…共感したというか…我が身を省みてしまったというか…
いろいろ…身に覚えのある感情をもう一度味わったというか…(^^;)

一冊の本の中で、いろんな人の感情や性格や見方がでてくるので…それがさまざまに交錯しあって…
よりそれぞれの奥深く入り込んでいった印象で。
まるでカットガラスの多面体からこぼれ出す輝きををさまざまな角度から眺めたような…
いろんな方面から2つの恋愛を味わえるようなところに凄く惹かれるんですよね…
多分、4人の登場人物の内、3人の視点からそれぞれの恋愛を眺めることができたせいだと思うんですけれど…
それぞれの話はさほど長くないのに…短編、中編が少しずつ重なり合って進んでいって最後に一つにまとまってくるという
とても読み応えがあるお話を堪能できるんでございます。

シリアス作品を読んで泣くというのもいろいろ理由がありますが…
「当たり前だから心の琴線に触れて、胸の奥がツキっと痛んで、す~~っと泣いて心が暖まった」という不思議な泣き方した作品なんですね…

お話は三つに分かれておりまして
「明日が世界の終わりでも」
「約束」
「集い」
で、二つの恋愛がそれぞれの視点で語られております。

一番過激でショッキングなのが「明日が世界の終わりでも」
心から愛し合っているのに、決して恋人を抱かず他の男に目の前で恋人を抱かせる男の話。
いや…これは相当に…重いです。ちょっとじっくり味わえないぐらいハードでして…
恋人の玲治の目の前で他の男に抱かれる望の視点で語られるお話なんですけど…
なぜそんなことをさせられるのか訳がわからず流されて…疑問を恋人に投げかけて、必死で理解しようとして…自暴自棄になって…と
事情もわからずにただひたすら恋人に振り回される望が痛々しくて読んでいてこちらの感情までおかしくなりそうでしたが…

大切なものを無くして、また失う事を恐れて…それでも手放すことはできなくて…守ろうとすればするほどすれ違う。
まだ無力だった子供の頃に受けた傷というものは、それほどに深く、そしてその受けた痛手ゆえにまた悲劇を
呼び込んでしまうという悪循環を断ち切る事は難しいんだなあ…と感じた作品でもありました。

ショッキングな終わり方ではありますが…理解はできなくても…その後を見守りたいと思うようなお話でございます。


次の「約束」
これが私が大好きな作品なんですけどね…
前作で「友人」として出てきたハンサムな美容師の恋愛話。
軽い恋愛を楽しんでいた男が客の真面目な中学校の教師に軽い気持ちで恋を仕掛けて…ドツボに嵌っていく話でございます。

ごく普通に始まった恋愛は、ごく普通に成就して、ありふれたささやかな幸せを満喫する恋人達の描写が微笑ましく
美容師@城下視点で語られますが…
これまで真面目な恋愛を避けていた百戦錬磨の男が、自分の手で開かせた無垢な恋人に夢中になってるんですねえ…
なのに、それまでの恋愛姿勢とあまりに異なる自分に違和感を持って、その違和感を打ち消そうと浮気に走るという
自分勝手な男のリクツがジタバタ恋愛の醍醐味という感じで…自己中な男にいらつくけれど…やっぱり面白い。

恋愛初心者のウブな恋人からのたった一つの求めが「毎晩電話をする」とささやかな願いだったんですが…
アイデンティティを取り戻そうと浮気に走った城下がその夜電話をせず、翌日慌てて電話を忘れた事を謝りに行ったら…
「別れる」と引導を渡されてしまうんですよ…ええ、これは…私も唖然でしたけどね…
恋人の浮気に怒るんじゃなくて、たった一度電話をしなかっただけで別れるって…いったいどーゆーこと??? ワケわかんない~?
と…こちらも混乱するんですが…
城下と共に混乱する読者に…少しずつ、タイトルにもある「約束」について考えさせて下さるんですね…
それがどんな意味を持つのか…なぜ、大切にしなければならないのかを…

「恋人との約束」
それは、どんなささいな事でも守らなければならないもの。
本当に大事なのは約束の内容ではなく…約束を守る事。
それが相手を想い、尊重していると伝える事だから。
その小さな約束を守ることが相手との未来につながる絆になることだから…

たった一つの何気ない約束が、人と人をつなぎ、そしてその約束が人との関係を長続きさせる信頼となっていく。
そう…約束は…他人との関係を次へつなげる鎖なんですねえ…

城下はようやく自分の気持ちに気づき…恋愛に真摯であることを格好悪いなどと悪あがきし、
百戦錬磨の自分がウブな相手を導かなければなどと思い上がっていた自分を反省して…
そして相手がどれほど自分を想っていてくれたか、どれほどたった一つの小さな約束を二人の絆として大切にしていたかに
気づいていくんですねえ…もう遅かったというのが切ないですけれど…
前作の望くんとの鍋を囲んでいる場面。あれは…じ~~~~ん…と来ましたよ…まさに琴線に触れた感覚で(笑)

約束を破ったことを後悔し、反省した城下は…別れてしまった恋人との絆を取り戻すべく努力しようと思うところでお話は終了しております。


最後の「集い」
これは城下と別れた後の中学校の教師@悠一の視点で話が進みます。
ここで…城下視点ではわからなかった悠一の案外したたかでしっかりした内面が見えて、ちょっとビックリ(笑)
おとなしくて、慎ましやかで、清楚で真っ白で…恋愛に関しては慣れている自分が悠一に何もかも教えてやらなければと思いこんでいた
城下くん、結構しっかり恋愛ドリーム入ってたんですねええ…ふふふ。

そんな恋人のドリームに自分を合わせていく…そんな恋愛の仕方もありますよね…
自分を偽るんじゃなくて…相手の望む自分でありたいと願う、そんな切ない悠一の恋心を感じながらも、視点を変えてみると
城下くんがちょっと道化役になるのが楽しいんですよね(^▽^)

悠一くんは流されやすい人間どころか…しっかりとした自分を持ち、生徒に慕われて、教師としてキチンとした考えを持っていて
一人の人間として尊敬できる人なんだ…ということがわかって…すごく新鮮でしたわ。
これがわからなかった城下くん…確かにあの時点でフラレるのは当然だったかも(笑)

でも悠一くんはやっぱり恋愛には初心者で…一度別れても、自分に手紙をずっと出し続けてくれる城下を忘れられなくて…
相手の謝罪と誠意を感じるごとに、自分の行動を後悔して…でもやり直そうと踏み出すには勇気が足りなくて…
そんな普通の人間なんだと感じられるちょっと臆病なところが凄く共感できて…
そこに…玲治くんとのボランティアを通じた関わり合いが描かれて、彼の恋愛と重ね合わせながら、いろんな角度から
この人達の恋愛を堪能していく感じが大好きでした。
そう、恋愛中の人間は…誰しも我が身と照らし合わせながら、互いに勇気をもらうものなんですよ…

沢山の入り交じった感情によってもつれ合った二つの恋愛が…涙と後悔によって洗われて、最後に純粋に逢いたいという感情が残る…
そしてすべてが集約するように「4人の集い」につながっていくところが…ああ、榎田先生ありがとう、読めて良かったなあ…
と感謝するところなんですね…
本当にここに来るまでの道のりはそれぞれ長かったけれど、それぞれに苦しんで、乗り越えたからこそここまで来れたんだろうなあ…
と心から思えたのがとても嬉しかったです。

「集い」は最初の話ほどドラマティックでも痛くもないけれど、普通の人間がそれぞれに恋に悩んで、苦しんで、逃げて、
逃げ切れずに向き合って…そんなところが…凄く心に響くんでしょうね…

榎田シリアス世界を三話通して堪能いたしました。★5つとさせていただきます。
やっぱりコメディも楽しいんだけど、シリアスも捨てがたいんだよなあ…榎田作品。ああ、一番って訊かれると…ほんっっと…悩む…(^-^;)

普段見過ごしがちだけれど、大切な何かを思い起こさせてくれるような恋愛にしんみり浸りたい貴方に是非お勧めの作品。


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こんにちわ。この本、私も好きでした。「明日は世界の終わりでも」は狂ってる感じがしたけど、続きは雰囲気が全然違いますね。
また読んでみたいです。
  • posted by 日 
  • URL 
  • 2008.10/30 10:03分 
  • [Edit]

こんばんは 

日さん 初めまして

始めのお話は確かに強烈ですよね…愛に狂っている感じでしょうか(笑)
でも、「約束」と「集い」は静かに穏やかに流れますよね…
雰囲気は違うけれど、確かに続編というところが凄いなあ…と思います。
何度でも読んで浸っていたい作品ですね。
コメント、ありがとうございました♪
  • posted by 摩緒 
  • URL 
  • 2008.10/30 20:06分 
  • [Edit]

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