摩緒のBL隠れ家

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夜が蘇る 英田サキ プラチナ文庫 2005.08 ★★★★★



夜が蘇る (プラチナ文庫)
(2005/08/10)
英田 サキ

あらすじ

情人を亡くし、虚ろな日々を過ごす元警視の探偵・秋津は、極道の久我に口説かれる。
「もっと俺を受け入れるんだ。できるだろう?」組み伏せられた秋津は、自分の身体に潜む雌の部分が、
逞しい雄を求めて疼き出すのを感じた。
けれども、情人を忘れられない。そしてなにより、失う悲しみにはもう耐えられない。
必死で拒むが、共に事件を追ううちに、傲慢なくせに優しい久我に心かき乱されて…。
悦楽に溺れる夜が今、蘇る―傷を抱えた男たちの、あやうい恋情。


昨年2007年10月にBL大復活を果たしてから、ワタクシに僥倖とも呼べる運命の出会いをもたらして下さったBL作家さまが
今のところ御二方いらっしゃるのですが。

その内のお一人が、以前ご紹介した榎田尤利先生。
BL感想ブログ徘徊していて、必ず「お勧めトップ3」にどのブログでも入っていて、これは読んでみたいと
食わず嫌い人間でも思ったんですよね~
それからの二ヶ月間。「榎田尤利フェア」を摩緒的全面開催いたしまして、古本屋、ヤフオク、アマゾン、出版社、
ありとあらゆる方法を駆使して既刊本を買いあさりました。
多分ね…榎田先生の出版されている本で、まだ読んでないものは、片手で数えるほどだと思いますわ(←豪語しちゃいます)
え~え~、全部でいったいいくらかけたのか、恐ろしくて勘定できましぇ~~ん orz

で…その榎田フェア開催中アマゾンに立ち寄るたびに気になっていて、いっそ目障りだとすら思っていたのが

「あわせて買いたい」
「この商品を買った人はこんな本も買っています」
「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」

の「英田サキ作品」だったんですよね…

榎田作品買いあさりすぎて財政危機に陥っている人間には、もう魔の罠が口を開けて待っているとしか思えませんでしたわ…
「アマゾンの商魂にそうカンタンにのせられてたまるか~~!!」と大抵抗していたのですが…
あまりにも毎回毎回「英田サキ」作品を薦められると、何となく名前を見覚えもするってもんで…苦笑。

一ヶ月後ぐらいには榎田作品もさすがに30冊以上買えばそろそろ残り少なくなってきたこともあり…
「やっぱり…類は友を呼ぶっていうし…好みや趣味が合うってことも…いったい英田サキって何者?」と
流石のガンコ者でも軟化してきたんですよね~
そんな時にドナドナしに行った古本屋で見かけた「夜に赦される」
ああ、これが例の英田作品か…とふっと気を惹かれて手にとったんですよ…
パラッと既刊本リストを見てみると、どうやら三部作の2冊目らしいというのはわかったんですが…
まあ、ちょっとお試しだし、¥100ならいいよな~って事で買ってしまったのが運命の出会い…フッ

それから一ヶ月間。
榎田フェアと同じぐらいの情熱と金と時間をかたむけて、「英田フェア大開催」となりました。
今や「アマゾンの商魂、ばんざ~~い!」 とコロッと百八十度方向転換ですわ。
うん、やっぱり、類は友を呼ぶのですよ~。しつこく毎回毎回教えてくれてありがと~~~!
ワタクシのBL人生、損せずにすみましたわ!(←ものすごく現金な奴)
おかげで財政危機→財政破産危機にパワーアップいたしましたわよ…i||i||||i○| ̄|_i|||i|||i

長い長いアホな前置きはさておき…(←もう慣れました?)

英田先生は、確かにワタクシのBL認識に革命的変革をもたらして下さった御方でございます。
まず、主人公カップルの平均年齢が高い。
それまで、両方共30代のカップルって、あまり読んだことなかったんですよね…

学生の頃に「30代」なんて聞いたら、「もう立派なオジサン、オバサン」で恋愛なんてする年代じゃない(←殴)とまで思ってましたからねえ…
もし30代が恋愛するとしても、もはや薄汚れたドロドロ不倫関係???
もう夢も希望も失って人生には家庭と職場しかなくて、人生の墓場の結婚生活に縛られてつまらない人生を
あくせく送っている哀れなオトナ…
なのに、「30代なんてオトナになったら、何でも出来て、何でもわかっている」なんて矛盾した「30代の認識」だったような気がします。
今考えても何もわかってないのに勝手にわかったような気になっている超ナマイキなガキだったわ、ホント…(^-^;)

英田先生は、まさに「オトナの恋愛」をドラマティックに描き出してくださる稀有な作家さんだと思います。
光が強ければ強いほどその傍らの闇が濃くなるように、それぞれに過去を背負い、それゆえに昼の中で生きるよりも
夜の中で生きる事を自ら選びとった男達。
夜の中でしたたかに生きる男達のやるせない夜のドラマを描いて下さるんですよね。
人生の綺麗事も、人生の矛盾も、人生の重さも、人生の挫折も、人生の喪失も経験し、その様々な事柄をくぐりぬけた経験から
何とか人生と折り合いをつけて自分の道を生きていくことを学んだ大人の諦観とも言うもの。
人生に答えは無数にあり、どれを選び取るか自分の意志と責任によるのだということを受け入れた大人の男達のドラマが、
私たちを惹きつけて離さないのです。

これほどさまざまな「夜」を描き出す作家さんに巡り会ったのは、BL小説では初めてでございました。
そして、歓喜の想いで胸がいっぱいでございます。
自分もその年代になってしまったせいか、ものすごく感情移入ができるんですよねえ…
この年になったからこそ、ようやく理解できるようになった人生の機微といいますか…
まあまだ私の年齢じゃ人生のなんたるかなんて、まだまだまるでわかってないんでしょうが…
わかってないことは少しわかったってところかな…苦笑。


失った情人を悼み、人生の停滞期間のような日々を送る元警視で今は大阪で探偵をしている秋津。
ある事件をキッカケにヤクザの若頭、久我仁一郎と関わり合うようになります。
どうしようもない喪失感と空虚な夜を抱え、夢も希望も失い、ただ虚しさの中で日々を送る秋津の中に強引に入り込み、
懐の深さ、情の強さでその空洞を埋めていく久我の情熱。
相手の心の闇すらも受け入れ、自らの夜の中で共に生きることを選択させるまでに強い久我の想いには、
心打たれるものがありますね。

忘れたいけれど、忘れたくない。
故人となった恋人を、腕の中で息絶えた情人を想う切なくもやるせない秋津の想いが、喪失を知った人間の哀しみを
胸に奥深く響かせてくれます。

うん…この想いは…少しわかる気がしますね…
胸が張り裂けそうな程のあまりの苦しみに、いっそ苦しみごと忘れたいと願い、なのに時の苦い効能として
少しずつ痛みが薄れ始めると、それに安堵はしながらも今度はあの愛おしさまでもが忘れ去られるような恐怖に襲われて…
どちらにも進めず、立ち止まってしまう切なさ。
このあたりが、読者は胸がしめつけられて、ぐぐぐっと鷲掴みになっちゃうんですねぇ…

まさに秋津くんは「哀しみに沈む未亡人の色気」を周囲に大発散していて、仁一郎くんがムラムラきちゃうのわかりますわ。
でもねえ…自分の気持ちを確かめる為に、取引として相手の弱みにつけこんで、よりによって別の男に自分の目の前で抱かれろ!?と
強制するなんて…サイッテー
自分の気持ちぐらい自分で確かめろっての。
だから惚れた男の前で、嫉妬メラメラになっていざという時になってお試し男を突き飛ばすなんて無様なハメになるんだよ~バカめ~~
これぞ自業自得。
でも秋津くんが「懐が深くて割り切りの良い大人のオトコ」で良かったねえ、仁ちゃんや…
これがオンナだったら、その場で金切り声あげてぶん殴ってその場でサヨナラよ?
アンタ、若頭なんて威張ってるけど、やっぱりまだ全然ガキだわ…これじゃ~姉さん女房の尻にしかれてコキ使われても仕方ないわ…
一生知らずに秋津くんに操られてなさいな。それがアンタの幸せってもんです…うん。
ということで一応秋津が久我の情熱にほだされて、事件解決と同時にカップル成立となるんですね~
(言い忘れてましたが、一応探偵として誘拐されたおぼっちゃんを追跡してなんてドラマティックなお話とからんでるんです)
とりあえずめでたし、めでたし。

ついでに続きも申し上げちゃいますと…(←言いたくて仕方ない)
二巻目の「夜に赦される」では、秋津の情人を殺したのがよりによって久我だったことが発覚し、これまた超波乱含みの展開に。
秋津の過去と組同士のもめ事とからんで、またまた大人のドラマが展開されるんですねえ…
混乱のあまり一旦久我と別れ、自分の気持ちを整理しようとする秋津に、その絶望感に胸がかきむしられる思いでした。

あの波打ち際の秋津のシーン。
何度読んでも泣いちゃうんですよね…
寄せては返す波のように、一瞬一瞬姿を変える感情の波に翻弄される秋津の姿。
大海原という大自然の中の絶対的な孤独に触れ、その孤独に苦しみ、そしてその孤独に癒される、あの人間という存在が
何て小さいのだろうと体感する一瞬。
多分英田先生ご自身の体験も入っているんだろうなあ…と読者にしみじみ伝わってくるのです。
あれは実際味わった人間じゃないと、あそこまで切々とは書けないだろうと思うんですよね…
あのシーン、本当に好きだなあ。

そして、その後誘拐されてヘロイン中毒になり、それを気が狂いそうな中毒症状の中で治療される秋津と、
ずっと片時も離れずに秋津を献身的に看護する久我の姿。
長い長い二人の夜が明けた時、清浄な空気の中で眩しいほどの朝の光が差し込むような、あのたった一言の「愛している」という言葉。
あれほど深くしみいる希望に満ちた愛の言葉は、小説の中でもなかなかお目にかかれないだろうと…また泣いてしまいましたよ…
ようやく、二人に夜明けが来たんだなあ…と実感できて。
あれは…まさに名シーンと呼ぶにふさわしいですね…

久我が秋津の情人、羽生を殺さざるを得なかった切ない事情というのもそれから明かされて…
これ、最初に言っておけばよかったのに…とは思いましたが、まあね、それをあえて言わなかったのが不器用な男の思いやりと
見栄でもあったのだろうと思うと、許せるかなあ…
おかげで物語も超面白くなったし(←これがホンネ)

三巻目「夜に咲き誇る」はね、もう姉さん女房の面目躍如と言ったところで、コメディ色が強くなってまた非常に楽しめました。
結局お約束通り大団円ですしね…
ここまでたどり着く途中、二人ともいろいろ苦しんだおかげで、これだけの地に足のついた関係を築き、周囲への気配りや、上下関係も
しっかり譲るべきところは譲ることができるようになったんだろう…と二人の成長ぶりに目を見張りましたよ。

うん、本当に読み応え満点で、心から堪能させていただいたシリーズでした。
これは文句なく、★5つとさせていただきます。

でも私は何しろ三部作の2巻目から読んだという変則的かつ邪道な読者でしたので…
二巻目にかじりつきながらも、前巻を推察しながら読むという、面白いけどちょっと困難というか、舞台裏が
イマイチわかりにくいという実にもどかしい想いを味わわせていただきましたです。
未読の方には「二巻目しか見つけられなかったら、一巻目と三巻目を見つけてから一緒に買って読む」ことを
強くお勧めいたします(←当たり前だ)
そーじゃないと、二巻目読んだ直後に書店に駆け込むハメになりますよ~~(←経験談)

大人の恋愛にどっぷり嵌って、心から楽しみたいオトナな貴方にお勧めの作品。


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*Comment

いゃっふぉーい♪ 

待ってました!!英田サキ先生!!!!
摩緒さ~~~んありがとぉぉぉぉぉぉぉーーー♪

勿論買います!!

てか、これは本当に読んだことなかったなぁ。。。
摩緒さんの守備範囲にバンザーイ★
  • posted by ウダム 
  • URL 
  • 2008.03/19 23:14分 
  • [Edit]

知らなかったんですか~? 

あれれ…英田先生のファンだとおっしゃってたので
てっきりご存じとばかり思ってましたよv-12

そっか~、それは良かった~v-252
ぜひぜひ英田世界に浸ってくださいまし♪
あ、でも何しろ「プラチナ文庫」ですからエロ度もそれなりですからね…ははは。
まあ、坊さんにビビらなかった方なら全然問題ないか(笑)
楽しんでくださいませ~v-19
  • posted by 摩緒 
  • URL 
  • 2008.03/19 23:48分 
  • [Edit]

NoTitle 

ファンと言っても、あたしなんざ、まだまだ浅い方ですよ~。
知らない本の方が多いかも☆

コメントありがとうございました!また元気になれました♪

いつも、いつも、あたたかいお言葉ありがとうございます★
ポチッとしときましたよ~ん(*^_^*)
  • posted by ウダム 
  • URL 
  • 2008.03/25 17:59分 
  • [Edit]

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